快居

吹き抜け階段の攻略

規制緩和で木造でも3階建てが作れるようになった。これで同じ敷地で部屋数が増やせる。となると家族の集まるリビングは日当たりの良い2階。3階は子供で1階は年寄りなどというように割り当てる。もちろん決まって居るわけじゃないけどまあ3階にリビングや水周りはもう一つ。1階からも3階からもすぐいけるし、日当りも通風もいいからということですんなりと決まる。だけどもともと敷地は狭いし階段にそうそうスペースが採れるわけではないからここは部屋にそのまま階段がリビングに接する。こうなると階段も含めて広々とした感じがあるし、風通しも良いなぁ、と満足する。ここが住むまで。
さていざ住んでみるとこのリビング広いからなかなか暖房も冷房も効かない。いや、というより吹き抜けの階段があるもんだから暖気は上に冷気は下にといたって効率が悪い。こんな事なら扉をつけ置けばと思うけど・・・・・。最初につけるなら引き戸が一番。ただし常にどちらかがしまっているわけで広々とした感じは損ねてしまう。まあ、壁の部分まで袋戸にしてしまえば出来ますが、これはこれで部屋の中にスペースを作らねばならない。いやそれよりなにより階段からいきなり引き戸を開けてはいるって言うのはなんだか頂けない。まあそれも工事中ならまだしも後から作るのは至難の業。アコーディオン・ドアはなんだかすっきりしないし、大体下が開いてるいるから冷房には役に立たない。パネル・ドアは如何せん下にレールをつけないといけないし、埋め込まないと通行に実に厄介。あぁどうすればいいの?床暖房?今更床剥がすの?
〔快住居士〕↑


障子の薄明かり

マンションの部屋割りを考えると、居間とキッチンはそのまま使うしかない。で、洋室がある。ここはとりあえず子どもの数に合わせて都合を付ける。一人なら1部屋を割り当てる。うまく行くともう一つ洋室があればここを夫婦の寝室にする。そういかない場合、残りの部屋が和室ということになる。この部屋障子なんて入っていたりする。もちろんマンションには雨戸なんてありはしない。そりゃー江戸時代なら障子で十分かもしれない。大体街灯なんてないし月明かり位だったんだから。所が最近はもう市街は真っ暗なんてことはない。う〜ん、困りましたね。だって寝室にしようにも暗くならない。手っ取り早いのはカーテンである。でもね、障子の棧にカーテン・レールである。台無し。つぎに考えるのはブラインド。これを障子とサッシの間にいれようとする。だけど、これスペースの問題がある。まっすぐの物をいれようにもそうは簡単に片付かない。コンパクトなブラインドでも35mmは必要。引違いになっているからね、窓。ね、どうしたらいいんでしょう。
〔快住居士〕↑


悩みの種はキッチンの窓

さて、問題は窓である。どうしたもんだろうか。よりによってこんな所にと思ってみても出来てしまったものはしかたない。なんとか知恵を絞って対策をたてなければ。 排煙もある。明るくするためにも窓は必要だ。が、もう一つ困ったことに近所が接近しているという事がある。目と目があってしまう。覗かれている気がする。今晩の食卓が近隣に筒抜けである。そんなこんなで目隠しをしたい。ところが・・・・・ 実はこれが問題だった。折角新機軸を織り込んでシステムキッチンにしたと言うのに突っ張り棒に木綿のカーテンなんてすっきりしない。昔の文化住宅の台所とたいして変らない。ここは一つ全体のバランスに合わせてなんとかしたい。したいのだが、ブラインドは油の汚れが染み付く。最近ではフッソ加工したスラット(羽根)の物も出ている。また1枚づつ羽根を外せるものから羽根の部分だけ取り外して洗剤であらえるものもある。が厄介であることは変らない。それに大体昇降のコードと開閉のコードは油まみれである。じゃ、最近増えてきたロールスクリーンはどうか。これがまた基本的には洗えない。洗えるものも若干あるがまさに若干でほとんど生地の選択の予知が無い。洗濯も選択も出来ない。なんといってもあの油汚れである。中性洗剤や塩素系洗剤でゴシゴシ洗わないとにっちもさっちもいかない。考えてみれば良いものがあれば設計の時につけているよな、と嘆息をつきながら突っ張り棒を差し込むことになる。
〔快住居士〕↑


揃わぬサイズ

京間と江戸間の違いはなんなとなく知っている。それからなんだか体裁だけを取り繕うために生まれた−少ない面積にそれでも畳を6枚いれれば6畳だという規格−団地サイズもあったはずだ。で、今度のマンションのサイズ167センチは団地サイズか?どうも違うような気がする。
今やサイズはバラバラである。設計の段階から窓のサイズなど頓着していない。効率のよい部材の使い方なのか部屋割りなのか。部屋のサイズも面積で考えている。それでも表現するのは「畳」である。それゆえ7.5畳の正方形などという妙な形が生まれる。畳はもともとユニットである。同じ単位で大量に作る事によってコストを下げ、普及した。そこから他の建具のサイズもまとめられてきた。 ところが様々な団地サイズなどというものを認めて以来困った事になった。それでも窓のサイズがサッシに縛られているうちはそうそう変なサイズも生まれないが、これが割合簡単にサッシがオーダー出来るようになるときりがなくなった。マンションを1つ作るならそこで必要な窓は30〜50はあるわけでこれなら採算をとれるようになる。まあこれが高級マンションや戸建の新居であるならさしあたり問題はない。末永く生活するためにきちんとしたサイズのものをオーダーすればいい。困るのはワンルームや転勤先の借家である。どうせ引っ越す事は決まっている。ところがゆく先々でサイズか違う。大家にしてみてもねじ釘は使って欲しくないなら住人が妙案をひねり出さないようなサイズに統一しておけば助かるはずである。規格物を住人が買ってきてそのままつけられるようにしておけば管理も楽である。両者にとって有益であるにも関らず実現されない。設計者の美しいバランス感覚から生まれたオリジナルな窓 サイズであるならまだ救いはあるのだが。
〔快住居士〕↑


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