快居

インテリア簾

室内簾

屋内用の簾。といっても屋内で使われる簾は御簾(御をつけているだけだが)と区別する場合もある。それ以外の簾を屋内で使う習慣は間仕切り用の簾障子がある。現在でも京都の旅館では夏の間使われている。面白いのは映画の京都の町屋のシーンなどで1960年代前半までは普通に使われているが、60年代後半ともなるとレースのカーテンが室内の間仕切りとしても使われ出している。それなりにモダンという事もあるけれど収納は楽だし、設置も簡単。今見ると風情はないが、しかし日常使っていると如何に風情があろうが慣れてしまいあまり気付かない。それよりレースのカーテンの方が新鮮で面白味があったのでしょう。それになんといっても価格が安い。また障子の張り替えに比較して簾障子はかなり値段が張ることもあったと思います。

御簾は少なくとも4枚を並べて使う。6畳の長辺に3尺のものを4枚。門構えにする。もっとも短辺で使える幅の短いものもある。(京間を270 × 360 とした場合。江戸間はもう少し小さく 262 × 350 程度。もっとも京都の町屋では畳6枚並列という敷き型も希にあるらしい)。値段はキリで数万円、並みで数十万、ピンは・・・どうなんでしょう?実は知りません。もっとも最近では数千円のそれなりに作ってはあるお座敷簾もあります。

インテリア簾

インテリア簾の歴史は割と新しい。流れとしては板簾という現在のブラインドに連なる流れと輸出用として作られたロール・アップ式のものがあります。普通の和室の場合は屋外に簾を掛け、窓際に障子をがある為インテリア簾を使う事はありませんでした。これが海外ではもともと屋内にブラインドを使う為、代わりにエキゾチック(オリエンタル)なインテリアとして簾を使う需要があったわけです。日よけとしての実用性があればよいので様々なヴァリェーションがあります。

木や竹の剥き身などで作られる。もともとインテリア用に作られている。国内よりも輸出用に考案されたもの。木はラワンやラミン材が使われる。杉などが使われるケースは極まれ。木に着色やたまにオイルステンをする場合が殆ど。竹は皮をむいて剥き身で使われる。そのためこの簾は屋内の使用が必須である。屋外で使用した場合は早晩黴に覆われる事になる。(オイルステンしてある場合は別だか)風、雨などには弱く壊れ易い。

一見ヨシの簾を上品にしたような竹を使った簾も湿気にはとても弱い。外掛けに使用した場合はすぐに黴が生えてくる。オイルステンしてあるこげ茶の竹もステンの部分は問題なくても糸に黴が生えてくる。もっともヨシの簾とて黴は生える。日本の夏の湿気から逃れるのは難しい。水洗いが簡単に出来るヨシと竹軸も黴てしまう違いがあります。

非木製

インド綿、レーヨン、紙などの簾。ロール・スクリーンとの違いはスプリング・メカを使っているかいないかの違い。ただ巻き上げ器自体は改良され、コストダウンも進み上桟との一体化なども行われている。カムの精度も上がり歩留まりも大幅に向上している。レーヨンなどの生地は何でも-ファブリックからインテリアまでに使われる為オーソドックスなものから風変わりなものまでカタログでは幅広い。が、この分野では風変わりなものが売れる事は殆ど無い為大体毎年同じよう物が選択されている。インド綿は敷物などからデザインの転用などがある為比較的珍しい柄がある。但し価格は若干高いためあまり売れない。入荷も少なく品種も減っている。以前は紙も変ったものがあった。耐久性は落ちる為あまりうず→価格が上がる傾向があった。最近ではレーヨンと同じ工場などでバリエーションが作れるようで安いものが作られるようになっている。ただ良く見ると面白い編み込みなどはなく、凝っているようで簡単に作れるものが多いように思う。

木製

板を並べたもの、糸で飾りを施したもの、板と籤を組み合わせたもの(そこに糸の飾りをしたもの)、重ねあわせて目隠しに使えるものなど。素材はラミン、シナ、ラワン、バルサなど。なんだ合板の素材ばかりではないかと思われただろうか?最近は杉などを使うものはあまりない。質感の良いのはラミン。木目は一応細かく、重量もあり落ち着きがある。シナはベージュや白いものなどに使われている。ラワンは価格が安いが物によっては縁がささくれているようなものもある。

素材とタイプの組み合わせではシンプルなものであればラミン、シナが良い。目隠しタイプは使われている板の量が多い。板を重ねあわせている為厚みが出る。しかも巻き上げた場合は重さもある上に巻きがとても太くなる。この場合はラワンの方が実用的。バルサ在は軽いし色目も綺麗なのだかあまり見かけない。耐久性は落ちる。

〔快住居士〕

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