新・長岡鉄男のオーディオ・コーナー
1978年の1号から。「★内容一新、毎号連載になりました!」とあり、1年間、新たに初歩から系統的に遣る、という連載。当時の自作スピーカーの大ブームの一端を知るような連載でもあります。巻頭に連載への抱負を書かれているので、ここを全文引用します。(以降引用はここだけですのでご容赦を)
ことし1年間、スピーカー・システムの基本、本当の初歩から、バックロード・ホーンまで、系統的にやってみたいと思う。工作のページはもう何年も続いているのだが、筆者の立場からすると、学校の担任教諭と言う感じである。一年生を担任して、それが、二年生、三年生と進級していく。当然講義内容もレベルが高くなってくる、ところが、雑誌の読者というのは、絶えず新入生が入ってきているわけだ。三年生向きの講義に一年生はついていけない。最近の工作のページにはそれが出ていたようだ。面白そうだがさっぱりわからない、という声もある。その点、筆者も反省して、初歩から出直してみようという気になった。といって、単なる繰り返しではない。新しいノウハウを踏まえての再スタートである。
長岡鉄男
週刊FM 1978・1号 〜 1979・5号
密閉箱を作る
No11.自作スピーカーへのいざない
- バッフルはエンクロージュア(箱)の原点−振動版の条件とは
- 後面解放箱はバッフルを折り曲げたもの
- 密閉箱はバッフルとしては無限大に近い
- スピーカー・ユニットの構造−f0とは自然法則に従った振動
No22.3種類の16cmフル・レンジを同じ箱に収めると どうなるか
- 3種類のユニットを45lの箱に入れる
- 材料はラワン材合板とボンド、クギ、吸音材
- 取付け面を変えて比較試聴、測定してみる
- ダイヤトーン P-610 ¥2,500
- フォステクス FE163N ¥4,000
- コーラル 6F-60 ¥9,500
No33.UP-163で4chSPを作ってみよう
- Q0はf0での振動をどのくらいダンプするかということ
- 密閉箱の計算−内容積はf0cとQ0cのかねあいで決まる
- 吸音材は定在波の影響を防ぎ、Q0cを下げる
- プロポーション−寸法比は気にしない
- 4ch用に超小型を狙う−さっそく計算式を応用
No44.サブロク一枚で4本できるUP-163超小型システムの製作
- 取付け位置で変る「エッジの反射」
- 同じ店で買った合板でもこんなにも違うとは!
- 板取の仕方で工作精はずいぶん違ってくる
- 組み立て順序もうまく作るポイントの一つなのだ
- ターミナルはネジ止め式がいい
- 吸音材は適度に入れないとだめ
- ユニットの取付け方も要注意
- 簡単なマトリックス4ch接続
- 試聴と実測−4chでバツグンの威力を発揮!
バスレフを作る
No51.計算法 バスレフはどんなユニットでも使える
- バスレフとはユニットの区道理幾でダクトをドライブするもの
- 低音増強だけがバスレフの効用じゃない!
- どんなユニットがバスレフに向いているか
- システムの低域特性を決めるf0c、fdはどうやって計算するか
- ユニットのキャラクターを考えながら自分の狙いを決めよう
- ユニットとダクトの位置関係はどこでもよい
- ダクトから余計な音を出さないための工夫
- 穴(ポート)だけのバスレフだってあるのだ
No620cmの新製品 PE-201 による中型システム
- PE-201は磁気回路、Q0からして使い易い
- 大きめのは箱合いそうだが計算してみよう
- 工作−板取りは実測値で少しの無駄も出さない
- 測定と試聴−ナチュラルでバランスのとれた音
No73.UP-203を使ってパイプ・ダクトの長さを変えてみた
- 特殊構造のダクトfd、実効長はどう考えるか
- 工作は図のNo.順に行えばむずかしいことはない
- 数種のダクトを比較試聴、測定してみる
No94.LCネット・ワーク付20cm FW-202 によるスーパー・ウーファー
- 3Dはダメ、スーパー・ウファーも2本必要
- 仕様ユニットの条件−f特とインピーダンス
- ネットワーク、f特のどのようにして決めるか
- 工作は非常に簡単、効果もバツグン!
No105.ネット・ワークセッティング 試聴・測定
- ネットワーク、セッティングを変えて測定する
- CS-X3との組み合わせでヒヤリング、ヘタな3D、3ウェイをしのぐ
- 組み合わせられるミニSP、セッティング
- スリット型ダクトの特徴、fdは計算値より低くなる
- 構造、ネットワークのヴァリエーション
No116.6dB/octLネット・ワークによる FW-202 +FT30D の2ウェイ
- L(コイル)C(コンデンサー)を遣った6dB/octのネットワーク
- Cは低音をカットするハイ・パス・フィルターだ
- 実際のクロスオーヴァーはf特で変ってしまう
- FW202にFT30DとFT500を組んでみる
No127.12/oct ネット・ワーク その1
--ネット・ワークに使う部品 原理について徹底的に説明しよう
- 固定抵抗R(Ω)
- アッテネーター ATT
- コイル L(mH)(Ω)
- コンデンサー C(μF)(Ω)
- 直列
No138.12/oct ネット・ワーク その2 計算式と作り方
- 並列
- ネットワークの計算
- インピーダンス補正
- 実例1 −スーパー・ウファー用フィルター
- 実例2 −12dB/oct 2ウェイ
No149.30cmウーファーを使った2.5 ウェイに挑戦 その1
- ユニットの選択から構想を進めよう
- 鮮度の高い狙ってネットワークはシンプル
- サブロク2枚で作れるエンクージュアにしよう
No1530cmウーファーを使った2.5 ウェイに挑戦 その2
- 工作−板取と組み立て
- 位相とネットワークに付いて
- 測定と試聴
- ヴァリエーション
No1610cmフル・レンジの新製品4A-70 のコンパクト・システム
- アルコニ・マグネット、軽量コーンの新製品
- ブック・シェル・サイズで考えよう
- ドライ&ハード・サウンド!試聴、測定
スーパー・ウーファーの製作
No171.ASWの原理と使うユニットの条件
- 超低音だけを再生するアコースティック・スーパー・ウファー
- ASWユニットの条件
- エンクロージュアの設計−スペース・ファクターと超々低域対策
No182.ブック・シェルフに重低音をプラスする20cm用小型ASW
- 20cm用としてはぎりぎりの小型を狙う
- 計算値とバッチリ合った実測値
- 結線接続とセッティング
- 圧倒的な迫力、奥行きと拡がりも出てくる
No193.大型システムとも組合せられる本格的ASW
- ユニットもよし、設計もよし、快作誕生!
- FW200を上向きに取付け、吸音材をタップリ入れる
- 測定と試聴−バツグンの効果
ドローン・コーン
No201.低音(fd)調整(df)自在 怠者(ドローン) 振動板(コーン)
- 原理はバスレフと同じだか実効質量が大きい
- 小型でもfdを低くできるが、ダンピングか悪い
- ドローン・コーンのいろいろ
- 安いユニットにオモリを貼り付けて使ってみよう
No212.12cmフル・レンジで16cmドローン・コーンをドライブ
−fd DF コントロールの実験
- fdの計算式はバスレフと少し違う
- ダンピング・ファクター・コントロールについて
No223.マグニ・ワイド・システムの製作1
- 超ワイド・レンジ、高耐入力、ローコスト・のシステムを狙う
- 大型トールボーイ・フロア・タイプで低域は30Hzまで出そう
No234.大成功!マグニ・ワイドSPシステム
- ドローン・コーンはバスレフよりも簡単
- ウェイトなしでちょうどいい
- 最近の中ではバツグンのヒット作
No245.前代未聞?? 疑似ダブル・ヴォイスコイル方式に挑戦!
−専用アンプ、ネット・ワーク不要の3D用ウーファー
- ドローン・コーン方式のスーパー・ウファーを考えてみる
- 金のかからない3D方式センター・ウファー
- ダブル・ヴォイスコイルの特長
- 20cm2本で38cmドローン・コーンををドライブ
No256.専用アンプ、ネット・ワーク不要の3D用ウーファーその2
- 工作、組み立ては簡単だが、ユニットの取付けは一工夫が必要
- 50gのオモリを付ければ50Hz前後の超低域再生が実現する
- 大成功だかもうひとひねり
ホーン
No261.ホーンとはどういうものか やさしく説明してみよう
- 効率的なエネルギーの伝達には、硬度か接触面積が必要
- 振動版の空振りを防ぐには囲いを作ればいい
- ホーンの仕組み、fc、開き率、長さetc
1979 No12.ユニットの背圧を効率よく利用する、バックロード・ホーンの 原理と仕組み、簡易にできるホーンの計算
No23.同サイズの密閉箱とは比べものにならない圧倒的迫力
−フォステクスFE-133バックロード・ホーン
- 折りたたみホーンの1種、スパイラル・ホーン
- 密閉箱との比較−圧倒的な低音
- バックロード・ホーンに合うユニット
- ネットワークとアンプの条件
No34.バックロード・ホーンの設計製作例5
- 音道の長さ、吸音材、補強など設計、製作上の注意点
- 10cmから20cmまでのBHの設計例
No45.30cm用バックロード・ホーンの設計 &6種類のユニットの相性テスト
- 豪快、壮大なスケールの30cm用バックロード・ホーン
- バッグロードにはどのユニットが合うか
No5最終回 読者の疑問に答えて
スピーカーの設計、製作法の連載を終える