No.16 | prev | next |プロフェッショナル野球の、パシフィック・リーグが立ち行くのだろうかという疑問が出ている。独立採算は夢としてもどうも大幅な赤字の縮小すら出来ないのではという疑問がある。そういった問いかけに答えるかのようにちょっとした数字が出てきた。それによるとホークスは観客動員でジャイアンツに次ぎ2位。但しテレビの全国放送は少ない。一体どういう状態かというと、ダイエーより15億円のスポンサー料、尚且つ15億円の補填。球団自体で言えば30億円のマイナス。ここでもし、1試合あたり4000万円の放映権料を払うダイエイテレビがあるとしてホームゲームを全て中継したとしてもまだマイナスである。まあそうなれば多少グッズ販売などで儲けが増えるかもしれないが、知れたものである。大きな補強やFAでの選手獲得など出来ない事になる。ましてや選手の年俸にかんしてもソコソコでいくしかない。繰り返して言いますが、ジャイアンツに次ぐ観客動員でこの程度です（粉飾観客動員でなければのはなしですが）。
パ・リーグは創設時から旨く立ち回ろうとしてきた。2リーグ反対だったセ・リーグは観客動員に自信の持てない地方のチームが多かった。故青田昇さんの言葉だがもともとジャイアンツは日本各地を「ドサマワリ」してファンを増やしてきた。それも職業野球という一段低めの興行として。パ・リーグは本拠を大都市に置く。関東２、関西３、博多１（一時は関東３、関西３、現在は関東３、関西２、博多１）。鉄道会社３社は、地元のレジャー産業の一環として野球チームを位置づけている。マスコミ球団-東映、大映、毎日はメディアミックス（などという言葉は当時はなかったが、相乗効果）を考えていたと思われる−ただ失敗しただけ。読売の真似をしようと考えていたのである。こうみるともともと日本全体に対する意識は薄いようです。
しかし1960年代にセパの人気の差が広がり始めてから各チームの強化は充実している。1970年代のブレーブス、1980年代のライオンズは強いチームを作ってきた。しかし強いだけでは人気は出ない。他でもないジャイアンツの9連覇の立役者川上は「強いばかり」「堅い作戦で面白くない」という批判を受け観客動員は前年比マイナスになり、尚且つ親会社も本来ならフロントや球団経営者の責任である営業減益の責任を川上に押し付け、川上はモチベーションを失い10連覇する事無く退団した。
しばしばアメリカ野球経験選手に対する批判としてここは日本だからというものがある。ここは日本で日本式の野球があるという事である。この考え方は間違っていないし、日本式の作戦があるのなら従わせれば良い。当然日本式の野球を行えば彼らだって日本チームの重要な構成員である事は間違いないだろう。ましてやプロ野球は統一契約（統一というのはUNIFORM を訳している−全員同じ書式で契約する）である。契約した以上国籍は何処であろうと日本式の野球やらせればよい。パワーでは劣ってもそれを補う戦法や守備などで日本式野球を完成を目指せば良い。
ところが外国人選手の問題が起きると短兵急に純血主義が持ち出されることがある。何の為の純血主義かと言えば将来の日米決戦の為とくる。断るまでもなくアメリカ合衆国のメジャーリーグは多国籍の選手が集まっている。また当然の事ながら助っ人なるものも存在しない。佐々木も長谷川も野茂もメジャーリーガーであって助っ人ではない。日米決戦のおり、日本純血軍の想定している米メジャーリーガー軍にはサミー・ソーサーのようなアメリカ籍でない選手は含まれるのだろうか？排除しろというつもりでしょうかね？
もともと米チームに佐々木が含まれるのに日本チームにペトラザが入らないのでは論理が破綻している。
で、パシフィック・リーグなんだからここは太平洋に臨んでいる国の選手をすべていれてみたら良いじゃないかと思う。選手枠は取っ払って、その代わり支配下選手に占める日本人選手の割合を50%に定めて、台湾、韓国、フィリッピン、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ、グァム、メキシコ、キューバ、などなどの選手と統一契約したらどうだろう。体格やパワーではメジャーリーグでの活躍は無理でも日本式の野球では有望な選手も多いはずである。各地域の選手は能力で評価すれば良い。助っ人なんていう考え方ではなく将来のチーム構想を踏まえて獲得するのである。結果スター選手が生まれれば当然出身国でも中継をしたいと言うだろうし、こういった太平洋の地域で中継されるようになればマーケットも広がるし、遠征にだって行くだろう。そうなれば少なくとも太平洋のスター選手が生まれる。また当然の事ながら交流だって進むはずである。もちろん野球も強くなるだろうし・・・・・・セントラル・リーグの野球より面白くなると思いませんか？
