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晴交雨獨

横綱審議委員会


差別は在った?

北尾に在って小錦にないものがあるという。小錦が連続優勝しても(3場所の成績では確かに8勝7敗を含むのだが)横綱には推挙されなかった。一方北尾は優勝を一度もしないまま横綱に推挙された。もう十年以上前のことだか北尾はパソコンまで使っているということで結構話題にもなった。当時のパソコンで相撲の役に立つ何が出来たか考えてみると面白い。横綱に要求されるのは品格や相撲の内容ということである。北尾はおかみさんを張り飛ばして部屋から逃亡している。横綱審議委員会の皆様が無駄に年を重ねて生きてきたのではないかという疑問は措いておく。人なんて幾つになってもなかなか分からないものという。しかしそれなら小錦になかったものは何だろう?
例の小錦が「差別があった」という発言に大きく騒いだ記者の皆さんはどういうセンスの持ち主のだったか。小錦を記者会見で吊るし上げで溜飲を下げていたが、彼らの仕事はむしろ差別があったかなかったのか検証してみることで小錦という個人の心証を問題にするべきではなかった。まあ無駄に記者生活を重ねているということではないかという疑問は措いておく。
ともかくぼくには北尾にあって小錦に無い物は国籍くらいしか思い浮かばなかった。

相撲の内容というのもなんだか分かったような分からないものである。北尾の相撲は強かったか?なんというか才能だけでとっていた。立ち会いは悪いし、出足の鋭さもない。そのため結構攻め立てられる。しばしば反り身にすらなる。しかしまあ、しのいで廻しに手が掛かればその後は2メートルの上背やリーチの長さを生かしてなんとか料理する。一方強い相手にはしっかりと取り組む。こういう時は流石と思わせる。がまあ大半は自分より弱いと思っているのかなんだか半端な相撲が多かった。優勝できなかったのもその辺に事情があると思う。ちょっと皮肉になるが誰が来ようが受けて立っているという正に横綱相撲だったという言い方も出来るかもしれない。それに引き技もあまりなかった。もっとも的がでかいでのでし難かったという事情もある。

これに比べると小錦の往時は前に出る相撲がまずあり、そのあと組んでも取れた。強さを印象づける相撲で名誉大関の名に恥じないと思われたのだが。しかし残念ながら北尾との壮絶な名勝負で膝の靭帯を切ったあとは悪循環で下半身が持ちこたえられなくなり力がどんどん落ちていってしまった。

だから己は言ったと・・・・

雅山が若乃花の引き技に注文を付けていた。負け惜しみだろうが、かなりの横綱批判である。新聞の記事も同調する節がある。しかしこのことは分かりきっていた。昨年貴乃花は正にこの点を指摘していた。どういうつもりか洗脳騒動ということで事体を歪曲され、なぜか若乃花の相撲に付いては全く話題にされなかった。普通に相撲を何年か見ていれば若乃花の取り口は横綱としては問題がある。引き技とはたきこみが中心である。先代の玉の海さんであれば「駄目だなぁ、こういう相撲ではねぇ・・・」という事ぐらいは言われたであろう。
以前はそんなことはなかったのだが上位でコンスタントに十五日間戦うには体力からいってもこの方法しかないのかもしれない。が鋭い出足もないし技のレパートリーも多くはない。確かに2場所連続優勝したのだ。関取にとっては例え現役寿命が圧倒的に短くなったとしても綱を張りたいというのは夢だろうし拒否するいわれはない。しかし・・・・

若乃花が惨めな姿を世間に晒しているとき貴乃花は多分自分の指摘が正しかったことを確認していただろう。親方の見る目の無さも晒らされた。新聞やテレビの記者の目も節穴だった。横綱審議委員の連中もどうやら相撲は良く知らないらしい。もう意地を張る必要はない。


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